狼様の愛のカタチ理論【番外編】
「…あ」
真っ赤な毛に、綺麗な瞳を輝かせて凛々しく立つ姿
あれって…もしかして…
「狼さん?…」
小さく呟けばピクッと耳が動き、小さく頭を下げる仕草に私は急いでかけよった
うそ、なんで狼さんがいるの?!
あの日、私が扇李のことで泣いてる時…傍にいてくれたきり姿を一度も見なくなった
扇李と上手く言ったことも、何も報告出来なくて…
本当に、今度こそ二度と会えないと諦めていたのに…っ
「…っ」
久しぶりに見る姿は前と全く変わっていなくて…
「ひさし…ぶり」
目の前に立ち狼さんにそう言うと、狼さんは再び頷く
やっぱり…狼さんだ。
どうしよう。凄く嬉しい。狼さんに会えたのが嬉しくて
ニコリと笑いながら傘を閉じてしゃがみこむ
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