狼様の愛のカタチ理論【番外編】
「わたしね、貴方に会いたかったの」
「…」
相変わらず、彼が言葉を話すわけではないけど
彼は…狼さんは私の言葉を理解して首を振ったり頷いたり
耳をピクピクとして反応してくれる
「ねぇ、狼さん。私…扇李と思いが通じたの」
そう言うと、狼さんは頷く
「色々あったけど、あの時…あなたが話を聞いてくれて、本当に助かった…あの事がなかったら私はいまここにいなかったかもしれない」
「………」
「あなたが傍にいてくれて嬉しかったよ。お陰で、今はとても幸せなの」
"有り難う"と頭を撫でると、少し目を細めて尻尾を左右に振った
「ずっとね、それが言いたかったの…でも狼さんに会えなかったから…言えなくて」
「………」
「まさか、こんな風に再開出来るなんて嬉しいよ」
触っていた手を離すと狼さんは立ち上がり、クンッと喉を鳴らす
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