嘘つきな彼女は、今日も嘘をつく。

味噌ラーメンを見捨てて食堂を出た俺は、特に行き場も無かった。

だが、明らかにドスドスと後ろから聞こえてくる足音に、俺は立ち止まる。

別に俺に向かってきてるって分かったわけじゃないんだけど、何か俺なんだろうな、と思い足を止めたんだ。


振り返るべきか悩んだその瞬間、俺は首を絞められて「おわっ」ていう、いかにも変な声を発した。

首を絞められてるというか、腕を回されてそのまま引きずられた。

…誰かに。


まさかさっきの化粧品ねだり女か!?
それとも良介が怒りながら追ってきた!?


なんて考える余裕もなく、酸素が俺の中から消えると同時に、俺はその腕から解放された。


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