雨宿り



家に帰って

「あれ、美桜あんた今日渉君とデート違た?」

「知らん」

自分の部屋に行く。

と、大姉がついて来た。

「どうしたん、何かあったん?」

「えっ、何、何?」

小姉まで入って来た。

二人して面白がってる。

「……」

「美桜?」

「黙ってたら分からへんで」

二人にヤイヤイ言われて事の顛末を話すと…

「ハハハ…」

大爆笑され…た。

「ちょっと、何がおかしいのん。可愛い妹が阿呆言われたんやで」

ほんとに怒るで。

「ハハハ… ごめん」

「そ、そやけどな ハハハ…」

まだ笑てるし。

「お姉ちゃん!何も面白い事あらへ ん!」

私が怒ってるのが分かったんか、お姉 ちゃんら急に神妙な顔して

「う~ん、そやな渉君が悪いな」

「そやろ?」

「そやけど…」

「うん?」

な、何?

「渉君、可愛いやん」

はぁ?

「可愛いって…何が?」

「渉君な、ヤキモチ妬いてるんや」

ヤキモチですか?

「うん。美桜が知らん男と楽しそうに話してたから…ヤキモチ妬いたんや」

「いつもの美桜やったらガード堅いからそんな見ず知らずの男と喋る事なんてあらへんやん。そやのに盛り上 がって喋ってっさかい腹立ったんちゃうか?」

ヤキモチ?

た、確かに前も裕や江上先生にも妬い てた事あったけど…今日みたいにキレてへんかった。

「渉君…よっぽどあんたが好きなんやな」

大姉?

「ちょっと妬き過ぎるけど…あんたが 好きで好きで堪らんからや。許したげ」

小姉?

二人が顔を見合わせ優しく微笑んでる。



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