雨宿り

【其の二】




「なぁって」

「うん?」

「これからな、私のことクラスでは委員長って呼んでもええけど二人の時は『美 桜 』って呼んで」

「へっ?」

一応彼女なんやし委員長って呼ばれるのもなぁ…切ない。

「これからな、委員長って呼んだら100円は高いか、う~ん50円の罰金な」

「え~罰金て!」

びっくりした顔してる。

「な、そうしょう」

「う~ん、分かった。そのかわり、いい、あ、美桜も俺の事クラスでは『時枝君 』で いいけど二人の時はあのーとかあんたとか言わんと、ちゃんと『渉』って呼 ん で。ばんへんかったら50円の罰金な」

えっぇぇ~

まぁ、仕方ないか。

「ええよ」

「OK。契約成立やな」

「うん」

「あ、そうや。い、美桜が『渉』って言わへんかったら50円はええわ」

何?

何か企んでる?

「50円の罰金の代わりにな」

「うん」

ニヤっと笑って

「美桜からキスな」

へっ

「えっえぇぇぇぇ…キス?」

罰金にキスって…

渉を見るとニコニコ笑ってる。

うぅ~

「分かった、分かりました。その条件でOKです…が」

そうよ。…『が』があるわよ。

「な、何?」



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