赤い下着の主

「やめといたほうがいいんじゃないですか」

 俺、何するかわからないし。

 いや、逆だ。

 すること自体はわかりきっている。

 わかってて誘ってるんですか、先生。

「そう。あなたがそう言うなら、もういいの」

 出た、教師口調。

 表情一つ変えない。

 玉置は再び優に背を向けた。

 しかし、コツコツというヒール音に混じって微かに聞こえた

「グスッ」

 という啜り音を、優は聞き逃さなかった。

 まさか、嘘だろ?

 優は焦って彼女を追い、彼女の肩を掴んで足を止めさせる。

「先生」

 見上げた玉置の目は、あろうことかやや赤らんで潤んでいた。

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