赤い下着の主



 玉置の部屋はやはりほんのりグレープフルーツの香りがした。

 扉が閉まると同時に唇を重ねると、玉置の手が優の頬に触れた。

 冷たい指先が耳をくすぐる。

「先生、手、冷たい」

 自分の手を重ねると、二人の指は熱を交換し合う。

「梶原君は、あったかいね」

「男だからね」

「性別の問題?」

「そうだよ。俺の手は先生の手を温めるためにあるのかもしれない」

「あはは、何それ」

 やっと笑った……。

 嬉しくなって再び唇を落とせば、玉置の腕が優の背に回った。

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