赤い下着の主

 この部屋から見える人がいるとするならば、紛れもなくあの赤い下着の持ち主である女だ。

 平日のこんな時間に自宅にいる、しかも真っ赤な下着を身に付けるような女。

 どんな人なんだろう。

 どんな派手な女なんだろう。

 興味をそそられ、優はカーテンを少し開けて見てみることにした。

 汗をかき始めたペットボトルは机の上に置いて、できるだけバレないように窓のわきから少しだけめくり、今まさに洗濯物を干している彼女を覗いてみる。

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