赤い下着の主

 それからしばらくは玉置と顔を会わせることもなく、まるで何事もなかったかのように二学期を迎えたのが先月のこと。

 始業式の日に体育館で見かけた玉置は、相変わらず長髪をシュシュで結い、バッチリ化粧を施し、キリッとした顔で姿勢良く立っていた。

 ストライプのワイシャツの中には、やっぱりあの赤い下着が……。

 優はクラスの列の中で、そんな妄想を膨らませては興奮を治めることに苦戦した。

 自分の視線に玉置が気付いていませんようにと、心の中で願いながら。


< 19 / 350 >

この作品をシェア

pagetop