赤い下着の主



 そしてこの日の帰り道、電車を降りて改札に向かっていると、見覚えのある背中が目に入った。

 黒髪に紺色のブレザー、そして学園指定のスクールバッグ。

 背丈なども考慮して、梶原であることに間違いない。

 しかし、今日はその背中を追う気にはなれなかった。

 生徒を慰み者にする変態教師というレッテルを貼られたくはない。

 きっと誰も見てはいないけれど、気が引き締まったときくらい掟を守りたい。

 だからどうか……私に気付かないで。

 美奈実は彼の背中を目で確認しながら、ズンズン前へと進む彼とは裏腹にゆっくりゆっくりと改札へ向かった。

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