赤い下着の主

 とぼとぼと歩き、できるだけ梶原とは距離が開くように努める。

 以前彼と出くわした本屋の横を通り過ぎ、すぐ隣のコンビニへ入った。

 ここで時間を稼げば確実だ。

 そう思ったのに……

「あれ、先生」

 まさか、ここに立ち寄っていたなんて想定外だった。

「梶原君……」

 神様はどうしても美奈実と梶原を出会わせたいらしい。

「なんか、今日は早いですね」

 無邪気な笑顔。

 可愛らしくてつい微笑んでしまう。

「仕事が早く片付いたのよ」

 せっかくの努力も、水の泡。

 二人は結局共に歩き出すことになった。

< 197 / 350 >

この作品をシェア

pagetop