赤い下着の主

 美奈実には教員免許以外に大した資格など何もないが、そこそこの学歴と生まれ持った器量がある。

 また一から就職活動をして、給料がイマイチでもゆったり働ける会社に就職しよう。

 そしたらきっと、いい人に巡り会えるさ。

 年下だって、いいじゃない。

 さすがに10も離れた男と縁はないだろう。

 今度こそ結婚だってしよう。

 年が明けたら、すぐに28になる。

 きっとあっという間に三十路だ。

 それまでには、きっと……。

 明るい人生計画を立ててみても、まだ涙は止まらなかった。

 頭の中で、梶原が笑っていたからだ。


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