赤い下着の主




「おはようございます」

 声をかけてきたのは、高澤だった。

 今日は美奈実のほうが先に出勤していたのだ。

「今日は早いんですね」

 白々しく笑いかけてくる高澤に、微かに怒りを感じる。

 しかし、悟られてはいけない。

「ええ、いつもより早起きしたものですから」

 梶原のことなど何も知らないふりをして仕事を続ける。

 本当は問いただしたい。

 彼に何を言ったのかを。

「ところで玉置先生」

「なんですか?」

「今夜、お暇ですか?」


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