赤い下着の主

 数秒の沈黙。

 どちらも出方をうかがっているのだ。

 先に口を割ったのは、高澤の方だった。

「もしかしたら、すでに彼から話を聞いたかもしれませんが……」

 なるほど、高澤は二人の不適切な関係について、やっと美奈実にも話をする気になったらしい。

「僕は、お二人の関係を知っています」

 美奈実は無言で高澤を見据えた。

 高澤は何かを引き出そうと、更に話を続ける。

「梶原が認めました。お二人の間にはやましいことがあると」

 美奈実は慎重に言葉を選ばなければならない。

「やましいこと、とは?」

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