赤い下着の主

 美奈実は高澤に促されるまま、生徒のいない進路指導室へと移動した。

 高澤はレディーファーストを遂行するような仕草で美奈実を部屋に入れると、ゆっくりと扉を閉め、部屋に鍵をかけた。

 ガシャンと響き、閉じ込められたような感覚に陥った。

「お座りください」

 二人はテーブルの椅子に腰を下ろす。

「それで、お話とは?」

 美奈実が怪訝な表情で尋ねると、高澤はそれを楽しむように笑う。

「梶原優のこと、と言えば予想がつくでしょう」

 美奈実の緊張が一気に高まる。

「梶原、ですか」

「ええ、梶原です」

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