赤い下着の主

「では、やましいこととは?」

 美奈実は意味深にクスッと笑いを入れておく。

「やましいので、言えません」

「でしたら疑いは晴れませんよ?」

「ええ、そうでしょうね。でも、疑っているのは高澤先生だけなんでしょう?」

 高澤の表情が、少しずつ苦しくなっている。

 いい調子だ。

「それって、疑いというより、ただの誤解なのでは?」

「それは……」

「正直、ちょっと傷つきました。生徒と肉体関係だなんて」

 我ながら、白々しい。

「……しかしっ」

 梶原が、認めたと?

 口に出してはいないんでしょう?

「疑うくらいなら、何か証拠を見せてください」

 そんなの、あるわけないんだから。

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