赤い下着の主

 高澤は椅子の背もたれに身を預け、ネクタイを少し緩めながら

「わかりました。玉置先生が、そうおっしゃるなら」

 と息を漏らした。

「ありがとうございます」

 この男に借りを作るのは癪であるが、梶原を守るためなら仕方がない。

「とんでもない誤解……申し訳ありません」

「いいえ。悪いのは私ですから」

 美奈実は深々と頭を下げ、

「失礼します」

 いつものクールな表情で進路指導室を後にした。

 これで、もうこの学園に思い残すことはない。

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