赤い下着の主

 梶原との肉体関係は隠しつつ、やましいこととして別の事象を浮上させる。

 梶原が具体的に話していないとすれば、これで辻褄が合うはずだ。

「しかし、ただ勉強していただけならば、彼は僕に白状していたのでは?」

 苦しい高澤の攻撃も、今の美奈実にはくすぐったいだけ。

「さあ。私は彼に、学校にバレるとマズいから黙っておくように、と伝えていましたから」

 美奈実は反省する素振りを見せて、高澤に頭を下げた。

「いけないとわかっていながら、申し訳ありません。もう金輪際、個人的に指導することはいたしません。ですから今回のことは、どうかご内密にしていただけると助かります」

 別に、それをバラされたって構わない。

 美奈実にはもう、教師を辞める決心がついているのだから。

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