赤い下着の主

 時間は短い。

「4」

 どんどんカウントダウンされていく。

「3」

 私から、キスしちゃう?

「2」

 それとも、何もせずに襲われる?

「1」

 よし、決めた。

「ゼ……」

 美奈実は背伸びをして、唇を梶原に寄せた。

 チュッと音が響き、ギリギリのところでカウントが止まる。

 しかし、美奈実がキスをしたのは、彼の唇ではなく、頬だった。

「取り引き、成立ね」

 踵を下ろし、彼を見上げて不敵に微笑む。

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