赤い下着の主

 梶原は数秒、固まったように美奈実を見下ろしていた。

 その隙に美奈実は彼の腕からの脱走を試みたが……

「その顔、ヤバいね」

「え?」

「上目使いで、完全に俺を煽ったね」

「はぁっ?」

 視界が90度回転した。

 足が浮き、背中と膝の裏に重心が移る。

 そのままズンズン部屋の奥へ進んだ。

 ドサッと体が下ろされると、目の前には彼の顔。

「あんた……私からチューしたら襲わないんじゃなかったの?」

「そのつもりだった。けど」

「けどじゃない! 男に二言は無し!」

「あんな子供騙しのチューなんて無効でしょ。口じゃないと意味がない」

「そんな説明なかったじゃ……」

「何言っても無駄だよ。俺、今完全に理性ブッ飛んでる」

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