赤い下着の主

 梶原に、笑顔がなくなった。

 眉間にしわを寄せて、軽く整えられた眉が切なそうに歪んでいる。

 可愛い童顔も、この表情なら台無しだ。

 梶原が持っていたメガネをサイドチェストに放ると、カラッと始まりの音がした。

「そんなの、ズルい」

「ズルくて、結構」

 押し付けられた唇は初めから貪るようで、彼の本気度が美奈実に伝わっていく。

 もしここで思い切り拒否すれば、きっと梶原も思い止まる。

 焦ったようにシャツのボタンを外す手も、きっと止まる。

「先生っ……」

 先生なんて、ここではもう呼び名でしかなかった。

「もうっ、バカ」

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