赤い下着の主

 もうこの時には筋肉痛のことなんかすっかり忘れていて、足や腹の筋肉は彼の見栄っ張りな温もりをもっともっとと受け入れていた。

 梶原の大きな手に自らの手を絡ませると、キュッと握り返され心が踊る。

「先生、可愛い」

 あんたの方が可愛いよ。

 こんなことを言ったら懸命に背伸びをしている彼が傷付くかもしれないからやめておこう。

 手を繋ぐだけじゃ足りなくなって腕で彼を引き寄せると、嬉しそうに微笑む彼にキュンとした。

 たまらず美奈実からキスをすると、梶原から何倍も返ってくる。

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