赤い下着の主

 美奈実は彼のキスを気に入ってしまっていた。

 薄いけど柔らかくて、温かくて、艶かしくて気持ちいい。

 美奈実が汗の滲む額を拭ってあげると、同じように梶原も拭う。

「先生……」

 彼に限界が近いと、表情でわかってしまう。

「いい?」

 頷くと、それからは一直線。

 顔に似合わない色気のある声を出し、美奈実を道連れに二人で彼方へ旅立った。

 しっかり互いを抱き合ったまま……。

< 95 / 350 >

この作品をシェア

pagetop