憧れの彼と恋する方法
「そろそろ時間切れだよ。返事を聞かせておくれ」
チャンスを生かせなかったら、一生叶わない願い。
私には無理。
こうやって無理だって決め付けて、もうほとんど諦めていた願い。
どうせ無理なら、やってみるのもいいのかな…。
悩んだ末、私は返事をした。
「お…お願いします!」
ローズさんは大きく頷き「ちょっと待ってな」と言い残し、そのまま奥の部屋へと入って行った。
ガサゴソという音の後、片手に何かを持ってローズさんが戻って来た。
「あったあった、久し振りだから何処に置いたか忘れちゃってね」
立ち尽くす私に、其れを差し出す。
手に持った其れは、キラキラと光る綺麗なオルゴールだった。
「これは?」
ただの綺麗なオルゴールにしか見えないけど。