憧れの彼と恋する方法
「あんたの願い事は叶えられた。自分の気持ちに正直になれたんだろ?」
「…はい」
「今迄なんの為にあの世界に居たか、何故日付が2年前に戻ったのか、あんたならもう分かるんじゃないのかい?」
私は涙を両手で拭い、ローズさんの顔を見つめた。
「会いたいならどうするべきか、私が言わなくてももう分かるだろ」
「ローズさん…私…」
「泣くんじゃないよ!こんな所に来る暇があったら、やらなきゃいけない事が山ほどあるだろ!」
ローズさんは、私の体を無理やり扉の方へ向けさせ、背中をポンと叩いた。
「いってきな…」
その優しいローズさんの声に、私は涙を堪えながら振り向く事無く扉を開いた。
ローズさん…ありがとう。
ローズさんに会えたから、ローズさんが居てくれたから、私は私になれた。
やっと、自分の気持ちに正直になれた。
ローズさんがくれたあの大切な時間を、私は無駄にしません。