憧れの彼と恋する方法
黒いカーテンに閉ざされた真っ暗なお店。
不思議な物が沢山並べてある。
蝋燭、壁一面の本、古い大きな椅子。
ローズさん、綺麗なオルゴール。
そして…。
「ピピピッピピピッ…」
携帯の着信音に、さっき舞美から電話がかかってきていた事を思い出した。
「もしもし」
「やっと出た!もう由希!」
「何?どうしたの?」
「どうしたの?じゃないでしょ!用意はもう出来てる?」
用意って、舞美の舞台は夜だったはず。
それに今日はバイトが…。
「だって、夜でしょ?」
「は?ちょっと何寝ぼけた事言ってんのよ!
とにかく、あと15分くらいで着くから急いで用意してよ!」
一方的にそう言って舞美は電話を切った。