憧れの彼と恋する方法
「あ、おはよ~竜司君。いよいよだね~ドラマ初主演おめでとう。頑張ろうね!」
「はい。宜しくお願いします」
舞美があの竜司君と挨拶してる。だけどそんな2人の会話は殆ど耳に入ってこない。
テレビでいつも見てた。
ドキドキしながら、あなたをずっと…。
本気で好きになったなんて言ったら、きっと友達は皆笑うだろう。
だから、誰にも言わずにひっそりと叶わない想いを抱いてた。
叶わないどころか竜司君に会う事も、勿論触れることも、その視界に入る事さえ一生有り得ないと思ってたのに…。
今私の目の前にいるのは、紛れも無く竜司君だった。
倒れそうになる自分を、必死で堪えた。
「それじゃー後で」
去って行く後姿も、竜司君そのものだ。
「ん?由希?」
呆然と立ち尽くす私の顔を舞美が覗き込んだ。