憧れの彼と恋する方法

それからは何がなんだか、周りの状況とか全く分からないまま時が過ぎた。


私がやった事と言えば、舞美のメイク。

これだけは、誰に聞かなくても分かる。


だけどもう一つ不思議な事があった。

それは、いつの間にか私のバッグにはドラマの台本が入っていて、そこには舞美の役柄や特徴、メイクの雰囲気などが事細かに書かれていた事。


勿論私自身の字で。


いつ書いたのか、そんな事はもうどうでもよくなっていた。

だって、そんな事言い出したらきりがない。

初めから不思議なことだらけだったから。


いつもテレビで見ていた俳優さん達が私の目の前を普通に通り過ぎて行ったりもして、その全てに反応していられなかった。


とにかく私は、この撮影を終えたら真っ先に『あそこ』に向かう事を決めていた。


< 37 / 244 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop