憧れの彼と恋する方法
一頻り驚いた後には、最大の課題が待っていた。
さて、何て返そう…。
「待ってました!なんて入れられるわけないし、こちらこそすいませんっていうのもなんかよそよそしい感じがするし…」
独り言を呟き、家の中をウロウロしながら文字を打っては消し打っては消しの繰り返し。
「あ~もう!メールなんてどって事ないじゃんか!!」
普通のメールならきっとどうって事ないんだろうけど、私が今送ろうとしている相手は竜司君なんだ。
そう考えただけで手が震える。
ううん、違う。
手が震えるのは相手が竜司君だからじゃなくて、きっと『好きな人』だからなんだ…。
好きな人にメールを送る時って、どうしてこんなに緊張するんだろう。
変なふうに思われないかな?とか、嫌われないかな?とか、そういう余計な事ばっかり考えるからなのかな。
こういう気持だけは10代だろうが20代だろうが、いくつになってもきっと皆一緒なんだよね。