眠り姫はひだまりで


純くんはいつもかっこいいけど、みんなに向ける優しい、なんだか大人びたような笑顔は、少し冷たいなって、感じた。


私は、はじけた笑顔がすき。


私のことからかって、笑ってるときの顔が、それ。

…こんなこと考えてると、なんだか私、Mみたいだけど。

違う違う、断じて違う、と思いながら、扉を閉めて、靴を脱ぐ。

なんだか、しぃんとしてるなぁ、廊下。

とてとてと廊下を歩きながら、純くんのさっきの笑顔を思い出した。


…あったかいの。

あの笑顔は、ぽかぽかして、あったかいんだ。


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