首(外道×貴族)【BL】
「しかも聞けば俺のいねぇ間にエリックの奴にちょっかい出したとかよ!」
「本音はそこか」
「ヤっちまえば少しは大人しくなんじゃねぇかってよ」
「・・・」
ガタン、と響いた机と椅子の倒れる音と、
ゴドーの真剣な目がキケロに停止を迫る。
ゴドーの拳は重く硬く強い。
質量のある衝撃だった。
「っテ・・・」
「悪い」
呆然と、頬から顎にかけ、痛みに顔を顰め、
抑えるキケロに対し、ゴドーの眉間には皺が数本。
「ルカのってより、俺の気持ちだ、
 殴ったらちょっとスッキリしたぜ」
「・・・」
「一応、あいつは俺の友達なんだよ、
 裏で何してるとか知らねーけど・・・」
「・・・」
「あいつの味方するとか、
 そういうわけじゃねぇ、
 おまえだって俺の友達に代わりねぇし・・・、
 おまえのほうが、どっちかっつーと馬合うし、
 ただ、あいつの苦しみに目ぇ瞑れるほど、
 あいつと関係が薄いわけじゃねぇんだよ。
 ルカとおまえの喧嘩で、勝負って、
 何となくわかる、ルカの奴にも、
 落ち度はあんだろーけど」
「言いたいことはわかるぜ」
「辛ぇよ、お前等がそうやって険悪だと・・・」
「・・・」
「俺が、ルカの奴を説得してもいいしよ、
 おまえはおまえで謝ってみるとか、
 あれで話はわかるほうだと思うぜ」
「甘ぇ・・・、俺があいつの立場だったら、
 ぜってぇ俺を許さねぇぞ」
「おまえとあいつは違うだろ」
「おまえとあいつも違ぇだろ」
「・・・」
「悪かった、おまえとは、
 しばらく喋らねーよ、
 どっちが助けを必要かって言やぁ向こうだ、
 愚痴聞いてやってくれ、
 俺は手加減しねぇ」
「おい・・・!」
「俺はこういう人間だよ」
吐き捨て、去ったキケロに掛ける声が見つからず、
ゴドーは途方にくれた。
「俺はどうすりゃいい?」


***
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