首(外道×貴族)【BL】
「余計なことを・・・!」
キケロと、別れたその足で向かった部室で、
ゴドーはルカスに思い切り顔を顰められた。
「あの男はつくづく配慮がないな!
 よりによっておまえに状況を洩らすとは」
「気遣ってのことだろ、
 愚痴聞いてやれって」
「それは攻撃の手を緩めんということだな!
 向こうがその気ならこちらにも手がある。
 ああ!腹立たしい!」
「っつーか、おまえ、
 平気なのかよ?!」
幸いエリック等、一年組の姿もなく、
普段通り弁当と英語のノートと教科書を持ち込んで、
予習に打ち込むルカスの姿があった。
「平気なわけがあるか、
 怒りが収まらん・・・!」
「怒り・・・だけか?」
「だけとは何だ?!このせいで今朝から調子が・・・!
 ・・・色々な人間に八つ当たりをしてしまったよ!!」
「仕方ねぇーだろ、それくらい」
「何が仕方ないんだ?!
 慰めはいらん、能天気なことを言って、
 おまえは!俺を苛つかせに来たのか?!
 出て行ってくれ!」
「ルカ!!」
思わず、制止を掛けてしまったのは、
自分のためなのかルカスのためなのか。
他人に攻撃をしてしまうことを、自覚し、
悔いていながら止められないのだろう。
ルカスはゴドーの落ち着いた目を見るとすぐ、
溜息をつき下を向いた。
「・・・すまん」
「いや、まじで、
 平気か?」
「・・・」
目元を押さえ、じっとするルカスの肩には力が入っている。
小さく見えた友人は明らか、精神的な傷を負っていた。
「おう」
なんとも、悪い間で現れる、
キケロがこの時ばかりは恨めしく、
ゴドーは内心で舌打つ。
戸を開け、覗いた顔は冷たい目をしていた。
「やってくれたな、てめぇ」
「何の話だ」
体勢を整え、顔を上げたルカスのほうも、
先ほどまで感情を剥き出していたのが嘘のよう、
通常に、緩く笑みを浮かべ迎え撃つ。
「サリト・シュトールに泣きついたのかよ」
「覚えがない」
「あ?!・・・だったら今朝のありゃ何だよ?!
 てめぇが泣きついて・・・ああ、
 勢力図がどうとかそういや言ってたか」
「自己完結は心の中で頼む」
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