首(外道×貴族)【BL】
屈服させる目的しか持たないキケロの作る繋がりは、
早急でルカスの好みとは合わなかった。
第一に立場が不服なので、好みの進行であっても満足することはない。
「くっ・・・ン、んん・・・ッん」
揺れる身に合わせ、咽喉の奥から、漏れる声を潰し、
鼻を啜る。涙はこの際無視をして、流れることを生理現象と捉えた。
「ァ・・・!んふ・・・ふぁ・・・あ」
「泣き顔えろいな」
機嫌の良い声色に、憤りを感じて腕で顔を隠す。
「おい・・・!」
「ンッ・・・!!!!」
こちらの腕を外そうとし身じろいだキケロのものが、
ルカスの弱点を突き膝がぴくりと動く。
「お?」
「っ」
焦った頃には遅く、腿を掴まれたことがそれの始まりを意味する。
「二回目で場所把握とか、さすが俺だぜ」
「・・・やめろ」
「声抑える余裕なくなるか?」
「やめろ・・・!」
ずるずると、嵐の前の静けさのよう、抜かれていくものに青ざめる。
「もうやめろ!!」
泣き出しそうな声で叫んだ必死の自分。
「ぁァァああッ!」
目の前が白み、抑え切れなかった声が耳に響く。
勢い良く突かれて、そのはずみで達したらしい。
「おい、顔におまえの・・・!」
「・・・」
焦点の、定まらぬこちらに近づけて見せ、
キケロは不快そうに苦情を洩らす。
「アッ・・・!」
内部を、動かれて上がった声は高い。
腹の上に自分の出した液体の熱がある。
「ああっ・・・あ、ふ・・・あ」
もやの掛かった頭が、声の抑制を妨げ、恥を作る。
その時カチリと、あまりにも予定外の音が響いた。
「?!」
最初に部屋に来た人間が、ゴドーであったこと、
自分がキケロとの行為を、すばやく終わらせられなかったこと。
音を聞かれてしまった時点で敗北は決定的だった。
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