首(外道×貴族)【BL】
「大体、先に仕掛けてきたのはおまえだろう。
 蹴ったのは悪かったが、
 襲うと宣言されれば手を打とうとするだろう・・・、
 俺はこれまで自分の身は自分で守って来た、これからも」
「・・・」
キケロの暴言にルカスが飛び蹴りをした日、
仕返しにキケロが再び暴言を吐きに来たのは、
その日の放課後だったか翌日だったか。
ルカスの周囲にはルカスを欲望の対象にする人間もいる。
そういった人間に予防線を張るのは、
ルカスにしてみれば当然のことだった。
「だからっておまえ、突然サリトの奴を出すのは反則だろ」
「反省する気はない、俺はまだおまえを許していない」
「・・・」
言い切ると心なしか咽喉の支えが取れたよう、
すっきりとした胸が頭に冷えた風を送った。
「だよなぁ・・・」
どこかしんみりと、
声が聞こえ納得したような顔で、
横向くキケロが見えた。
「やっぱ無理か、
 おまえと俺が、
 和解とか・・・」
「・・・」
「はは、ちょっと・・・、
 期待しちまったろうが、
 抱きついて来やがって」
「おまえが抱き寄せたからだ」
「泣きやがるし」
「悪かったな、見苦しいものを見せて」
「可愛かったぜ」
「おまえ、それしか言えないのか、
 語彙の少ない男だな」
「・・・」
「ところで予鈴は鳴ったか?」
「さてな」
「何時頃だ、今は」
「・・・あー」
聞かれて自然と、腕に目をやったキケロが舌打つ。
あるはずの時計は先日ルカスに破壊されていた。
「不便だな」
キケロの、舌打ちの原因に笑みを浮かべるルカスと、
溜息をつくキケロの間に、先程までの親密さは影もない。
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