首(外道×貴族)【BL】
「おう」
天文学部部室、自然に顔を出したキケロに対し、
ルカスは溜息をつき読んでいた本のページを捲った。
「無視か」
「・・・」
体格に差のあることを、ルカスが気にしていないわけがない。
ある程度は修羅場に遭遇しているだろうことは雰囲気でわかる。
だからなるべく近づいて恐怖を与えつつ会話をしたかった。
ルカスの座るすぐ隣に腰掛、何気ない風にそっぽを向いた。
「おまえさ、昔会ったことあるかもしんねーわ、俺」
手探りではあったが、ある程度の確信を持ち話を振る。
「・・・」
「おまえっぽい奴を、見た事あんだよなー、昔」
「それはおまえの妄想だ」
「酷ぇ決め付けだな?!いや、見たって、エリックん家来てたろ、
あそこ来客の数半端ねぇから、大抵誰が来たかなんて忘れるけどよ、
おまえだけは印象濃かったからな、妙に大人びた顔の奴が、
よくオッサンと二人でちょこちょこ顔出してた、
良い顔の作りしてたしな、思い出したんだよ、あれおまえだろ」
「心当たりはあるが、それがどうした?
昔に会っていようといまいと、おまえのような人間は好かん」
「・・・そーかよ」
「・・・」
明らか、むくれたような声であり、もし向こうに悪意がないなら、
随分と自分は大人気がない、と気づき、ルカスはまた溜息をついた。
「エリックから聞いたのか?」
しかしフォローを入れようとした口は、探りを入れるほうに働く。
自分はどうもへそ曲がりの気がある。
「あっれー?!珍しい組み合わせ!」
噂をした瞬間に、戸を開けて笑顔。
登場早々に頓狂な声を上げ、空気を破ったエリックに心底、
ルカスは感謝して微笑みを向けた。
「良いところに来たな。覚えているか?
懐かしい話だが、昔、俺がおまえの家を訪ねていただろう?
丁度今こいつに、その件で昔、会ったことがあると難癖を付けられていた」
「難癖?!何だその悪意ある解釈?!」
天文学部部室、自然に顔を出したキケロに対し、
ルカスは溜息をつき読んでいた本のページを捲った。
「無視か」
「・・・」
体格に差のあることを、ルカスが気にしていないわけがない。
ある程度は修羅場に遭遇しているだろうことは雰囲気でわかる。
だからなるべく近づいて恐怖を与えつつ会話をしたかった。
ルカスの座るすぐ隣に腰掛、何気ない風にそっぽを向いた。
「おまえさ、昔会ったことあるかもしんねーわ、俺」
手探りではあったが、ある程度の確信を持ち話を振る。
「・・・」
「おまえっぽい奴を、見た事あんだよなー、昔」
「それはおまえの妄想だ」
「酷ぇ決め付けだな?!いや、見たって、エリックん家来てたろ、
あそこ来客の数半端ねぇから、大抵誰が来たかなんて忘れるけどよ、
おまえだけは印象濃かったからな、妙に大人びた顔の奴が、
よくオッサンと二人でちょこちょこ顔出してた、
良い顔の作りしてたしな、思い出したんだよ、あれおまえだろ」
「心当たりはあるが、それがどうした?
昔に会っていようといまいと、おまえのような人間は好かん」
「・・・そーかよ」
「・・・」
明らか、むくれたような声であり、もし向こうに悪意がないなら、
随分と自分は大人気がない、と気づき、ルカスはまた溜息をついた。
「エリックから聞いたのか?」
しかしフォローを入れようとした口は、探りを入れるほうに働く。
自分はどうもへそ曲がりの気がある。
「あっれー?!珍しい組み合わせ!」
噂をした瞬間に、戸を開けて笑顔。
登場早々に頓狂な声を上げ、空気を破ったエリックに心底、
ルカスは感謝して微笑みを向けた。
「良いところに来たな。覚えているか?
懐かしい話だが、昔、俺がおまえの家を訪ねていただろう?
丁度今こいつに、その件で昔、会ったことがあると難癖を付けられていた」
「難癖?!何だその悪意ある解釈?!」