首(外道×貴族)【BL】
「これ、ぜんぶ組み立てんのかよ?」
「ああ」
部屋に入ってすぐ、ごちゃごちゃと置かれた道具を組み立てる作業を始め、
キケロを無視しようと勤めているルカスの、
横顔を眺めながら、キケロは機嫌が良かった。
「用は済んだ、帰れ」
「おいおい、そりゃねぇだろ」
「礼は後でする」
こちらの存在を、頑なに認めようとしない瞳は、
道具から道具に移るばかりだった。
丸い爪の器用そうな指が次から次、組み立てに従事して行くのを見つめ、またキケロは視覚に支配されていた。
見られている自覚があるのかないのか、
ルカスはキケロの視線に抵抗をしない。
「親父さんおまえのこと気にしてたぜ」
「・・・」
ずる、と刹那、滑り落ちそうになった器具を、
どうにか落とさずに留めたルカスに、
キケロはある確信をする。
「何の話をした?」
「何って、ああ、ちょっと・・・」
勤めて落ち着いた風であったルカスの横顔に、
苛つきが見えて楽しい。
携帯を開き用も無くカチカチと忙しいふりをする。
キケロの情報が気に掛かり落ち着かないルカスの心情が、
手に取るようにわかり心の中で笑った。
「おまえって、星に詳しいんだって?」
「・・・天文学部の部長をするくらいだからな」
「教えて欲しいことがあんだよ」
「何だ」
「ああ」
部屋に入ってすぐ、ごちゃごちゃと置かれた道具を組み立てる作業を始め、
キケロを無視しようと勤めているルカスの、
横顔を眺めながら、キケロは機嫌が良かった。
「用は済んだ、帰れ」
「おいおい、そりゃねぇだろ」
「礼は後でする」
こちらの存在を、頑なに認めようとしない瞳は、
道具から道具に移るばかりだった。
丸い爪の器用そうな指が次から次、組み立てに従事して行くのを見つめ、またキケロは視覚に支配されていた。
見られている自覚があるのかないのか、
ルカスはキケロの視線に抵抗をしない。
「親父さんおまえのこと気にしてたぜ」
「・・・」
ずる、と刹那、滑り落ちそうになった器具を、
どうにか落とさずに留めたルカスに、
キケロはある確信をする。
「何の話をした?」
「何って、ああ、ちょっと・・・」
勤めて落ち着いた風であったルカスの横顔に、
苛つきが見えて楽しい。
携帯を開き用も無くカチカチと忙しいふりをする。
キケロの情報が気に掛かり落ち着かないルカスの心情が、
手に取るようにわかり心の中で笑った。
「おまえって、星に詳しいんだって?」
「・・・天文学部の部長をするくらいだからな」
「教えて欲しいことがあんだよ」
「何だ」