あんなやつ大嫌い
「間違ってるといえば、間違ってる。」

美魅は面倒臭そうに頬杖をついた。

「「どこが？」」

意味が分かっていない璃里と、怒りが込み上げてくる小鳥の声が重なった。

「もし本気でそう思ってるなら、小鳥ちゃんとヒロくんは二度と仲直り出来ない。」

「…別にしなくても良いもん…」

「そんな風に言える間はまだ良い。
でも、言えなくなったら本気で後戻りできないよ。
二度と戻れないよ。」

美魅が珍しく真剣な表情で言った。

「…美魅…」

「小鳥ちゃんは、なぜ今日イライラしたのか真剣に考えるべき。
ヒロくんが距離を置いたのだって、反抗期なんて言葉で片付けちゃダメ。
小鳥ちゃんが気付かないとダメなの。」

そう言う美魅の瞳が少しだけ哀しそうで、小鳥は怒りも忘れて美魅を見つめていた。

「私はあの頃に戻りたいよ？
ああ見えても楽しかったの…
でも、これは私が何を言ってもダメだから。
小鳥ちゃんが気付かないとダメだから。」

一生懸命言葉を紡ぐ美魅を、心配そうに璃里が見つめている。
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表紙・目次

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