あんなやつ大嫌い
それから美魅と璃里は、あんなに楽しみにしていた夕飯も食べずに、一言も口を利かないまま帰っていった。

母は寂しがっていたが、小鳥は少しだけ安心していた。

あのまま美魅と璃里と食事をしても、小鳥は満足に食べられる気がしなかった。

といっても美魅と璃里が居なくても、美味しそうな食事の味がよく分からなかった。

小鳥が思っている以上に、美魅と璃里の言葉が胸に乗し掛かっていた。

小鳥が考えないといけない事。

小鳥自身で考えないといけない事。

「私の悪いところか…」

部屋に戻ってからもずっとその事が頭から離れなくて、小鳥は日が変わる頃こっそり抜け出して散歩に出掛けた。

月明かりが住宅街を照らしていた。

家から少し離れた所にある公園に向かった。

小さい頃に四人でよく遊んだ公園だった。
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