あんなやつ大嫌い
「うまく相手に気持ちを伝えられなくて…
いつもヘラヘラしてるって言われるんです。
本当は嫌なのに、嫌って言えなくて…」

幸村はそう呟くと、意を決した様に大将を見つめた。

「だから、憧れてるんです!
斎藤先輩みたいになりたいんです!
さっき声かけてもらったときは夢みたいで…
すごく嬉しかったんです!!」

幸村は目を輝かせて言った。

「…あぁ…」

大将は幸村の笑顔に戸惑うように苦笑いを浮かべた。

「よかったね、大将。
憧れなんてすごいじゃないか♪」

「駿兄!
他人事だからって適当なこと言うなよな!?」

大将が睨むが、駿は気にもせずに嬉しそうに笑った。

「いやぁ、大将が後輩から慕われるなんて嬉しいじゃないか♪」

「「嬉しい。」」

駿の言葉に、美魅と璃里もこくこくと頷いた。
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