あんなやつ大嫌い
それから一週間が過ぎ、期末試験が始まった。

美魅と璃里は小鳥のノートのおかげで、内容は滅茶苦茶ながらも平均点をキープした。

大将は意外にも無難に試験をクリアし、早々に陸上部で走り回っている。

「小鳥ちゃんは、すごいね。」

「すごいね、小鳥ちゃんは。」

試験の上位30名は昇降口に掲示される事になっている。

「でも、今回は凡ミスが多かったからなぁ…」

掲示を見つめながら小鳥が言うと、美魅と璃里がチッと舌打ちした。

「えっ!?
なんで今舌打ちしたの!?」

「「頭良いからムカついた…」」

「ひどくない!?」

小鳥が騒いでいる間に、周りに生徒が集まりだした。

「姉様さすがです♪」

「1位は姉様しか居ないです!」

「姉様、才色兼備で素敵です♪」

「あ、ありがとう。」

周りの勢いに小鳥が押されていると、一年の掲示の方から女の子達の歓喜の声が響いてきた。
< 82 / 203 >

この作品をシェア

pagetop