あんなやつ大嫌い
「「何?」」

「何だろうね?」

生徒の輪から抜け出して一年の掲示を見に行くと、騒ぎの中心に幸村がいた。

「あれ、幸村くん?」

「「小鳥ちゃん、見て…」」

美魅と璃里が指差す方を見ると、掲示には『1位真田幸村』と書かれていた。

「えー!?
すこいじゃん!」

「あっ、姉宮先輩!!」

幸村は嬉しそうに目を輝かせた。

「幸村くん、頭良いんだね♪」

「僕、頑張りました!
姉宮先輩みたいに頭が良くて、斎藤先輩みたいに強くなりたいんです!!」

「ヒロみたいにはどうかと思うけど…
でも、良いと思う♪
頑張ってね!」

「はい!!」

小鳥と幸村を不思議そうに見ていた周りの生徒が、二人の会話を聞いて優しい微笑みを浮かべている。

「「…熱いなぁ…」」

そんな中、美魅と璃里だけは冷めた目で二人を見つめていた。
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