紺色夜話
「このカードは大事にしてくださいね。
 それと私にだけ使えるんですから、他の人に見せてもダメですよ」




勝平は“捨てないでくださいよ”と念をこめながら言います。




「え、じゃあ無料券も?」




「いえ、券は従業員なら誰に渡しても使えます、このカードのサービスが私だけなんです。
 あ、他の従業員からもカードを貰おうなんて思ってます?」




“目の前のバーテンは、私をそんなに意地汚いと思っているのだろうか”正直者の銀子は思った事が顔に出てしまいます。
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