Hamal -夜明け前のゆくえ-




祠稀が来るまでなにしてよう。


午前授業だった学校を終え、私服に着替えてから街にやってきた僕は、ひとまず目に入ったゲームセンターに入ることにした。


と言ってもお金はそんなに持っていないから、上限は500円に設定。


コインゲームで2時間近く暇をつぶしたころ祠稀から連絡が入り、残った200円でクレーンゲームのお菓子を大量に取った。


今日は運がよかったらしい。

いつもはパーカーのポケットで事足りるのに、袋いっぱいのお菓子なんて初めてだ。


甘いものもあるし、喜ぶかな、祠稀。



歓楽街に続くアーケードは、交通機関が密集しているターミナル駅からL字型を逆さまにしたように続いている。


ほぼ一定の距離で大通りを挟むため何度か長い横断歩道を渡らなければいけないが、アーケードには隙間なく店が立ち並んでいるから、夕方が1番賑やかな時間帯かもしれない。


最奥にある歓楽街はまだ、寝起きって感じ。そのまた奥にある祠稀の家周辺は、いつでも眠っている感じだ。


まだ16時過ぎなのに、全く人がいないもんなあ……。


怪しげな看板を掲げている店を眺めていると、すれ違った誰かに肩がぶつかり、咄嗟に見向く。


「ごめんなさ……っ」


人がいたのかと焦った僕は、振り返っても顔が見えない位置にあった男性に目を丸くさせた。


背、高いな。

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