マタアシタ、



「ごめんごめん!後輩に呼ばれててさ!」

「人気者〜♪」

「だろ?(笑)行こっか」

「うん」


中学の時とは明らかになにか違った。


少しマキちゃんの後ろを歩いた。

大きな背中に私より遥かに高い身長、そんなマキちゃんに私はドキドキしていた。


「梨乃はさあ保育の学校行くんだっけ?」

「うん、東京の」

「俺も東京の方の学校だから近いな」

「そうなんだあ、じゃああっち行っても会えるね」

「そうだな」

いつものマキちゃんとは少し違って物静かだった。

「マキちゃん今日なんか静か♪なんかあった?」

急にマキちゃんは止まって鞄から何かを取り出した。

「はい」


「え?」

渡された物は赤いネクタイだった。


「これ…あたしに?」

「もとから梨乃にやるって決めてたからさ」

「嬉しい…」

思わぬ出来事に状況があまり読めなかった。


「あのさ…」

「なに?」

「これから忙しくなるし、今すぐではないんだけどさ…お互い少し落ち着いたら…もしよかったら、俺と付き合ってほしい」

両立がうまく出来ないと言うか、ひとつのことしか夢中になれない、不器用なマキちゃんらしい告白だった。


「あっ!いや、嫌ならいいんだけどさ!うん!」


「嫌じゃないよ」


「まじで?」


「あたしだって好きだったんだもん、マキちゃんのこと。でも、この関係崩れちゃうの怖くて…」


「じゃあ、もう少し待っててな♪俺、絶対お前のこと幸せにするから」


「約束ね?」


私達は指切りをした…
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