恋愛相談は校舎裏で
そんな一言を呟きながらも、とりあえず首に巻いていたマフラーでしずくちゃんをくるんだ。



…見つかったら結構ヤバイはず…。



「…どこから出たら…」



下駄箱から出るなんて、自殺行為だ。


だからといって、まだ入学して1年も経っていない私は、

下駄箱以外の出入り口を知らない。


「………」



しばらく、その場で考える。


でも、いい方法は思い浮かばなくて。



(…しょうがない、よね…)



マフラーから、顔だけ覗かせているしずくちゃんを見る。


可愛いなぁなんて思いつつも、


私はマフラーでくるんだしずくちゃんをできるだけ鞄で隠しながら、下駄箱へと向かった。



< 272 / 437 >

この作品をシェア

pagetop