恋愛相談は校舎裏で
運がよかったのか、下駄箱には誰もいなくて、


私はすぐに靴を履き替えると、校舎裏へと続く道の方へ走った。



誰もいないのを確認してから、マフラーをしずくちゃんからそっと外す。



しずくちゃんは、その可愛い目で私をじっと見つめた。



……すっごい可愛い。



「しずくちゃん、気をつけて帰るんだよ?…ここから先は行けないから」



名残惜しいと思いつつも、しずくちゃんの頭をそっとなでてから、


ゆっくりと地面におろしてあげる。



早く、ここから動かないと。

目の前にある角を曲がれば、もうあの場所へ着いてしまう。



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