スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間
「世利から目を離したのはあやまる…でも、あたしは、あなたの母親でもなければ、家政婦でもない…子供には愛情はあっても、祐輝は私には愛情なんてないんでしょう…」


祐輝の左手が、晴香の胸ぐらを掴んだかと思うと、階段のあるあたりに、突き飛ばされたように晴香は倒れた。


その時の転び方が良くなかったのか…


晴香は、右手を階段に強く打ち付けてしまった。


世利はその様子を見てバタバタとしていたが、祐輝が抱いて、大丈夫…と声をかけていた。


起き上がって、右手を見ると、薬指が小指の方向に曲がっていた。


不思議と痛くないのに涙が込み上げてきて、携帯を手に取り電話をかける…


誰にするのか考えもしないで、コール音が鳴って…


出たのは憲吾…


泣きながら、


「病院に行きたい…」


そう言って電話を切った。
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