スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間
決意
祐輝は朝から携帯に向かって悩んでいた。


普段、自分の妻にメールなどしたことのない祐輝は、晴香にどうメールを打っていいか迷っていた。


メールというのは、声を聞くのとは違って、相手の気持ちが伝わりにくい場合がある。


最近は、絵文字だの顔文字だのを入れて、友人や同僚はメールを送ってくるが、祐輝にはその使い方、入れかたさえもわからず、ただ文章で表現するしかなかった。


【晴香、おはよう。気分はどうですか?後で着替え届けます。今日母を実家に連れて帰します。父にも話します。これから先の事は、晴香の体調をみて、ゆっくり話し合おう。色々悪かった。】


結婚して、初めて送る妻へのメール…


たったこれだけの文章を、祐輝は何度も読み返し、晴香に送信した。
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