エリート医師の溺愛処方箋
そのまま、ひとしきり泣いて、泣いて、
涙が枯れそうになった頃に…
……そっと顔を上げた。
「……!!!」
私の隣に座っていたのは、赤木師長ではなく……、
………千尋だった。
「なっ……何で…?」
私がそう言っても、彼は黙ったまま正面を向いている。
風が彼の黒い髪と、白衣をパタパタとはためかせて…。
「師長……は…?」
そう聞くと彼は初めてこちらを向いた。
「医局に戻ったよ」