エリート医師の溺愛処方箋

彼はゆっくりと身体を起こして、そっと白衣の下のネクタイを緩めた。

「そろそろ戻ろうか。
赤木師長が心配してヤキモキしてるだろうから」

「うん」


そう言ってから千尋は私のお腹にそっと手を当てた。

「この子は俺が担当医になる。

検診も出産も、俺に任せて。
他の医者に任せるなんて、嫌だから」

「…え。産婦人科も、診れるの?」

驚きながら訊ねると彼は、頭を下げて私のお腹にそっとキスをした。

「うん。医局の中では、歯科と耳鼻科は無理だけど…。

瑠花も、虫歯は、他の先生に診てもらって」

「虫歯なんか無いよ」

「そ?良かった」






< 179 / 208 >

この作品をシェア

pagetop